上記の呼び名は同じ意味をさしています。
新品ピアノ以外の楽器の事をさす言葉です。
それらのピアノを購入する場合の注意点、購入する際のポイントをまとめます。
これらのピアノを選ぶ際見た目の外観の綺麗さも重要ですが、それ以上に重要なのが中のアクション機構の状態です。
年数の経たピアノはアコースティック楽器の特性上消耗する部品が出てきます。
例えば多くの箇所に使われているフェルト類は摩耗している場合が多いです。
鍵盤などにも稼動箇所にフェルトが使われていたりしますが、なかでもハンマーと呼ばれる実際に弦を打つフェルトは最も摩耗が顕著に現れる部品です。
画像例 ハンマーフェルト、弦の溝のついてしまったもの
この問題を解決するには、摩耗して弦の跡がついたハンマーの表面を薄く削りならしたり、摩耗が酷い場合はハンマーフェルト自体を交換したりします。
ハンマーフェルト、ここがよい状態でないと、音が不揃いになったり思い通りの音色が出なかったりといった問題が生じます。
アクションの心臓部と呼んでもよいかもしれません。
良好な状態のハンマーフェルト
その他金属部の錆も経年変化により出てきます。特にピアノ弦の錆は音色や音量の劣化に繋がります。
その他見えないところのダンパーロッドの錆やスプーンの錆、ペダル類の消耗部品などがしっかりとよい状態であるかも長い目でみて重要です。
アクション各部を取り付けしているネジ・ビス類も年数が経つにつれ緩んでくるのですべてしっかりと締め付けてあるか、重要なポイントです。
不安でしたら専門家である信頼できる調律師にみてもらうのがよいかと思います。
専門家でないとわからない箇所も多いです。
例えばヤマハ製のアップライトピアノの場合、バットフレンジコードと言う紐状の部品が経年変化により必ず切れてくるのでしっかりと新品に換えてあるかも大事なチェックポイントです(※年代により切れないものもある)
画像例 左 バットフレンジコードの切れた状態 茶色に変色し強度がない
右 張替後、白く強度のある正常な状態
中古ピアノ、リニューアルピアノの良い点は年数を経て弾かれていた事により音や音色が落ち着いていると言うことです。
近年新品のピアノは注文数が減った事により受注生産に近い形となっています。製造されてからすぐに消費者のもとへ届くので環境にもなじんでおらずピアノの各部分が不安定な状態です。
置かれた場所である程度の期間弾かれて、メンテナンスされる事によりその楽器本来の鳴りができてきます。
木の板であるスピーカーの役割をする響板も鳴らされる事により振動がゆきわたり響きが豊かとなります。
経験では様々な音色でピアノを弾くと響板もそれを応えるように繊細な音からダイナミックな音まで鳴るようになってきます。
ヴァイオリンなどの弦楽器を例にすると200年経った楽器のほうが鳴りが良かったり、音色が豊かだったりするのは木が鳴りきっているからだと思われます。
ギターなどのヴィンテージものが人気があるのはこのためです。
一方で新品には自分なりの鳴りにしていくと言う良さもあります。まっさらなので弾く人や調律師により良くも悪くも変わっていきます。
年数かけて育てていくのもよいかもしれません。ただどう変わっていくのかはその楽器が本来持っているポテンシャルに左右される部分があります。
同じメーカーの同じ機種のピアノでも製造段階でももはや違いが出ますし、年数を経て環境次第で別の楽器のように変わります。
中古、リニューアルピアノ選びは納得のいくまで弾いたりしながら選んでいくのがよいです。またそれが楽しみでもあります。
また一品もののためその時に希望のものに出会えるかどうかは運やタイミング次第。
購入して何十年と使っていけるしっかりとしたもの、長い間愛情を注ぐことができるお気に入りの一台を見つけてください。
|